7月17日日曜日午前8時より、定例坐禅会を開催しました。先月27日に発表された関東甲信地方における観測史上最速の梅雨明けから突然の猛暑を経て、ここ1週間ほどは戻り梅雨らしき空模様。お湿りの再来は喜ばしい限りですが、豪雨被害や新型コロナの再拡大は何とも悩ましいところです。夏本番に備えてまだ遠慮がちな蝉時雨の中、ヒグラシさんたちの今生1か月ばかりの鳴き声が朝夕の境内に降りしきっています。目に見えない無数の木霊が囁き合うような鳴き声に野鳥のさえずりが加わり、ちょうど夜来の雨も上がって心地良い朝の坐禅会となりました。今回は8時35分止静、5分間の小休止をはさみ9時30分まで、初参加の方3名を含む皆さんに50分間の坐禅を行じていただきました。2022年も折り返しの回。坐禅前のお話では、『学道用心集(がくどうようじんしゅう)』と『正法眼蔵随聞記(しょうぼうげんぞうずいもんき)』の一節から、あらためて道元禅師の修行観や坐禅観の主意を紹介しました。坐蒲上の一坐にいそしんだ後は、胃腑中の一服になごむ時間。茶話会では、前回に続いて菊地会長より甘み豊かな美味しい水出し緑茶をいただきました。〈副住 文央〉
○『学道用心集』…道元禅師(1200~1253)の著述。1巻。道元禅師が門下の修行僧たちに対して仏道修行(学道)の基本となる心得(用心)を全10項目にまとめて示された書。現在の京都の深草に興聖寺(こうしょうじ)という全国初の僧侶の修行道場を開かれた翌年に当たる文暦(ぶんりゃく)元年(1234)前後の作とされる。
○『正法眼蔵随聞記』…道元禅師の門下に参学中であった懐奘(えじょう 1198~1280)が道元禅師の説法や弟子に対する質疑応答などを聞くに随って筆記した覚え書きをもとにまとめられた著述集。6巻。『学道用心集』の執筆時期と同じ文暦元年(1234)から嘉禎(かてい)年間(1235~1238)ごろ、興聖寺における記録とされる。
▷次回の開催予定は、9月18日(日)8時~です。