三日涅槃月
鶴林迎節晡
僧声只聚福
霊顆散庭隅
三日 涅槃(ねはん)の月
鶴林(かくりん) 節(せつ)を迎(むか)うる晡(ゆうべ)
僧声 只(た)だ福を聚(あつ)め
霊顆(れいか) 庭隅(ていぐう)に散ず
五言絶句(上平七虞) 文央
お釈迦様ご入滅の月とされる2月の3日、
沙羅樹の間で入滅されたお釈迦様をお祀りする寺は節分の夕暮れ時です。
僧侶は声を上げてひたすら福を呼び集め、
霊妙な力をもつ豆を境内のあちこちに撒きました。
○鶴林…お釈迦様ご入滅の床が設えられたとされるインドのクシーナガル郊外の沙羅樹林。インドの沙羅(サーラ/シャーラ)樹は日本のツバキ科の落葉樹と異なるフタバガキ科の常緑樹。2本が対に並んだペアを双樹と呼ぶ。ある仏典によれば、ご入滅に際して樹々が白鶴のような白色に変じた。
今年は終日快晴の節分となりました。「With疫鬼」の時代。鬼打ちは『鬼滅の刃』にお任せして、福聚山では福集めに全集中しました。「疫鬼は外」を掲げる厳戒態勢下、北京冬季オリンピックが立春に開幕。「沙羅」のお名前でおなじみスキージャンプの高梨沙羅さんはじめ、全選手のご活躍をお祈り申し上げます。〈副住 文央〉