2021年最後の日曜日は前日のHoly Dayののどかな天気から一転、風が強まり、真冬らしい寒さとなりました。年内のご法事も残すところあと1件です。一昨日と昨日ともに午前中1件ずつのご法事を終えた午後、年末恒例の山道掃除を行いました。トナカイさんではなく、真っ赤なお鼻の天狗様が祀られた道了堂に向かう山道です。この作務に入ると、いよいよ年の瀬を感じます。山道作務は例年28日過ぎに行っていますが、予報では今日からしばらく強い寒気が居座るとのことで、早めに始めておいて正解でした。Holy Nightにあたる24日夜から25日未明にかけて雨がぱらついたものの、両日とも日中は風のない快晴に恵まれ、順調に作業を進めることができました。作業の出発地点となる道了堂と広場の中間には石碑が立っており、道了様が遺された五大誓願の一文が刻まれています。その中の「常に作業の事をおそれ 初より間断なき心を以て」の箇所を念頭に置きながら、今年も一歩一歩掃き進めました。北国のはてしない雪かきを思えば、何のことはありません。
2つの山道のうち、まっすぐで急な石段の道は通称「男坂」、折れ曲がった比較的ゆるやかな丸太階段の道は通称「女坂」と呼ばれています。坂の呼び名についても男女を論ずることなく、現代のSDGsをはじめとしたジェンダー平等をかかげる動きに配慮するなら、さしずめ「大天狗坂」と「小天狗坂」くらいの呼び分けが穏当なのかもしれません。ひとつながりの「夫婦坂」と定めて、毎日のように山門からお堂まで境内一周を仲むつまじく散歩されているお檀家さんご夫婦もいらっしゃいます。おそらくは今朝、山道の劇的ビフォーアフターを最初に体験されたことでしょう。昨日の午後は土曜日ということもあり往来の足繁く、くしくも女坂を掃く途中、小中学校時代の同級生が小走りに笑顔で下りて来て、久しぶりの再会を果たしました。Zoom越しの対話とは訳が違います。福祉関連の職業で激務をこなしているという彼にとって山道は、どうやらストレス発散と運動不足の解消をかねて上り下りする「リフレッシュ坂」のようでした。貴重なクリスマス休暇にお参りを成しとげた旧友には、靴下では収まりきらない無量の功徳が道了様から贈られていくに違いありません。女坂では人間のみならず、小さな野鳥も顔を出してくれました。淡い青色をしたルリビタキのオスの成鳥です。お腹の横がうっすら黄色いので、何とかコルリと見分けることができました。しばしば丸太をとまり木代わりとして、私が作業を怠っていないか監視でもするかのように両脇の笹薮を行ったり来たり。このまま藪の中で春を待つのでしょうか。となると、ルリビタキにとって山道は「越冬宿」!?同じ道でも、皆それぞれの道がありますね。同名の坂がある足利織姫神社は人気映画のロケ地として知られていますが、当山の坂も過去にいくつか映画やドラマのワンシーンを彩ってきました。山道とお堂の上は、さらに毛野大坊山ハイキングコースにつながっています。老若男女も鳥獣も神仏も垣根をこえたお参りの道へぜひ一度、足をお運びください。〈副住 文央〉