定例坐禅会【42回】

12月19日日曜日、今季一番の冷え込みとなった朝8時より、令和3年(2021)最後の定例坐禅会を開催しました。ニュースによれば、東京都心でも今年初の冬日。権現池には氷が張り、ストーブ点火から1時間半が経った受付開始の7時30分の時点で、本堂の気温は5度。それでも幸いにして風はほとんど無く、初めての方1名を含む9名の方が来山され、皆さん集中して坐禅に取り組まれました。作法の説明後、年内最終かつ臘八摂心の月ということで、坐禅の時間を増やし、5分間の小休止をはさんで2炷坐禅を行じていただきました。おのおの身心の大掃除にはげまれた後は、参禅去から喫茶去へ。お楽しみの茶話会。昨年はコロナ禍のため控えましたが、今年は2年ぶりにお粥を召し上がっていただきました。お釈迦様のおさとりの故事になぞらえたお粥です。境内でとれた銀杏とふりかけ付き。一昨年の特製五味粥よりシンプルなお粥となりましたが、ご好評と「おかわり」のお声を多くいただきました。うれしい限りです。大トリを飾る一杯は、菊地嘉一郎会長による至極の紅茶。ふだんは口にできないようなプロおすすめの美味しいお茶をいつもご持参くださいます。満福御礼、ごちそうさまでした。
今年の定例坐禅会は、3月の中止をのぞいて如常に開催することができました。坐禅前のお話では丑年にちなんだ仏教語「醍醐(だいご)」にはじまり、道元禅師の思想にまつわる「非思量(ひしりょう)」「不染汚(ふぜんな)」「諸悪莫作(しょあくまくさ)」といった言葉、寺報のエッセイにも記した「道了尊と十一面観音菩薩」などをテーマに取り上げました。また、時事問題を通して仏教にもっと親しんでいただきたいという思いから、東京オリンピック開会前の7月には、トップアスリートや指導者の方々にみる参禅や瞑想の実践例などを、さらにアフガニスタンのガニ政権崩壊後の9月には、かつて仏教が栄えていた同地の歴史や文化遺産などを紹介しました。11月には瑩山禅師の教えにもふれ、お弟子をつとめられた明峯素哲(めいほうそてつ)禅師のご修行時代のエピソードを取り上げました。来年もまた「からだすこやかに、こころやすらかに」を会の軸として、ともに坐り、学び、味わい、精進して参りましょう。1年間おつかれさまでした。合掌〈副住 文央〉
▷次回の開催予定は、2022年2月20日(日)8時~です。