12月6日月曜日、足利市内の永明寺(えいめいじ)様に於いて栃木県曹洞宗青年会員による摂心会(せっしんえ)が開かれました。本堂を会場として18時10分の止静(しじょう)、2炷(ちゅう/しゅ)坐禅、2炷目の最後に『普勧坐禅儀(ふかんざぜんぎ)』を読誦(どくじゅ)しました。当日は曇天で今秋一番の冷え込みとなりましたが、やはり寒中こそ坐禅の醍醐味。時間の流れをひしひしと感じながら身体の軸を調え、深い呼吸で心を落ち着けることができた充実の夜坐(やざ)でした。マスク坐禅にすっかり慣れてきたとはいえ、外せるようになる時が待ち遠しいです。〈副住 文央〉
○摂心…一定の期間ひたすら坐禅を行じ、心を摂(おさ)めて乱さないこと。接心とも。特に「臘八(ろうはつ/ろうはち)摂心」では、旧暦12月(臘月)の1日からお釈迦様がおさとりを開かれたとされる8日未明までの間、寝食と用便をのぞいて坐禅に徹する。
○止静…修行僧たちを安らぎの境地(寂静 じゃくじょう)に止(とど)めるという意味で、坐禅の始まりのこと。開始の合図として鐘が3声鳴らされる。
○炷…焚香、焼香のこと。特に1本の線香が燃え尽きるまでの時間(1炷)を坐禅1回分の時間(およそ40~50分)の単位として用いる。
○『普勧坐禅儀』…宋代中国への留学から帰国された道元禅師が本場の坐禅の意義と儀則(作法)を普(あまね)く勧めるために示された著述。
○夜坐…夜間に行じられる坐禅のこと。特に夜坐の中で『普勧坐禅儀』や瑩山禅師の『坐禅用心記(ざぜんようじんき)』が読誦される。