〈山川長林寺アカデミー講演会〉のご案内
謹啓 秋空澄みわたる好時節を迎え、皆様ますますご清祥の御事お慶び申し上げます。
さて、来る11 月18 日(土)と19 日(日)の両日、恒例の秋のイベントとして、本年は同封チラシのような講演会を開催させていただくことといたしました。
初日(18 日)は「仏教の自然観」に関するお話をお二人の著名な仏教学者に語っていただきます。私たちを取り巻く環境世界について仏教ではどのような捉え方をして来たか、仏教発祥の地インド以来の自然観について、分かりやすくお話しいただきます。
二日目(19 日)は、「樹木の保護と生態系の保全」というテーマのもとに、樹木医の方々や国の森林総合研究所の専門家からお話をうかがいます。とくに近年、クビアカツヤカミキリなどの特定外来種による食害の問題が深刻となるなか、こうした問題を私たちはどう理解し、また何をすればよいのでしょうか。森林総研の取り組みの現況などをうかがいながら、共に学び、共に考えたいと思います。
なお、両日とも会場内に長林寺山域の野鳥の写真を展示しますので、どうぞお楽しみください。この秋、一本のナンバンハゼ(楷かいの木)に実をついばむためにやって来た野鳥たちを、野鳥写真家の武政喜一さんが根気よく撮影記録してくれた貴重な写真です。ナンバンハゼはまた「孔子の木」(牧野富太郎博士命名)とも呼ばれる木で、ピスタチオの仲間ですが、10 月中はオオルリ、エゾビタキ、アオゲラ、コゲラ、キビタキ、ジョウビタキ、ヤマガラ、メジロ、ヒヨドリなど軽く10 種を超える野鳥たちが個々にまた集団で毎日食事に通っていました。いまはもう渡り鳥の多くは南の越冬地へと渡って行きましたが、たった一本の樹木がたくさんの鳥たちの命を支えるまさに「生命のバンク」に思えました。
以上、ご案内申し上げます。質疑の時間も設けますので、どうぞ奮ってご参加ください。寒くなりますので、暖かくしてお出かけください。 敬 具
(長林寺サンクチュアリ保護基金代表・山川長林寺住職 矢島道彦)